分類別の盆踊り唄集 その8

●●● ソレジャー(その1) ●●●

 「伊勢音頭」の「その2(兵庫音頭)」のグループの節から、下句の長囃子をやや簡略化した類のものである。もともとこの節があって、これと「兵庫音頭」が組み合わさったものが「伊勢音頭その2」のグループの節ということなのだろう。南山田から飯田方面の伝承。

 

1-1-1 盆踊り唄「三つ拍子」 九重町町田(南山田) <77・77段物>

☆ここに語るは(ソイ) 盂蘭盆経よ(オサー ソレジャーソレジャー)

 いわれよくよく(ソイ) 聴き給うべし

 (オサー ソレジャーソレジャー ヨーイトナー)

☆国は天竺 唐天竺よ 釈迦の御弟子の 目連尊者

 

 

 

●●● ソレジャー(その2) ●●●

 こちらは「その1」の上句ばかりを繰り返す節で、より簡略化されている。こちらの方が多く採集されており、囃子さえも省いた唄い方も見られる。主に日田方面の伝承。

 

2-1-1 盆踊り唄「ヨーヨーセ」 前津江村大野(前津江) <77段物>

☆国は九州さて肥後の国(ハヨーヨーセー ヨーヨーセ)

☆肥後の熊本諸大名さまが

 

2-2-1 盆踊り唄「坪借り」 天瀬町中釣(五馬)、中津江村八所 <77段物>

☆東西ホホ 東西コラサ おごめぬなされ

 (ソレーナーソレーナ ヨーイートナ)

☆私ゃ 津江の山 お茶売り帰り

☆村の 若いしょの 噂に聞けば

☆今宵 御宅は 初盆そうな

☆お果て なされし 小父上様の

☆盆の 供養に 踊ろじゃないか

☆それに ついては 坪貸しなされ

☆坪に ついては 床貸しなされ

☆それと ひとつは 声出しの水

☆それに つけても 傘貸しなされ

 

2-3-1 盆踊り唄「坪借り」 大山町小切畑(西大山) <77段物>

☆東西ホホ 南北コリャサ おごめんなされ

☆聞けば お宅は ご主人様の

☆お果て なされた 初盆そうな

☆今宵 一夜の 坪貸しなされ

☆坪を 貸すなら 床貸しなされ

☆床を 貸すなら 傘貸しなされ

 

2-3-2 盆踊り唄「ばんば踊り」 院内町上納持(南院内) <77・75一口>

☆鐘とコリャ 撞木が流れて下るヨ

☆とかく この川後生の川

☆後生は 願いなれ若い時も

☆そよと 吹き来る無情の風

 

 

 

●●● エイソリャ(その1) ●●●

 津房周辺の「ばんば踊り」の類の唄のグループ名を、区別のために唄い出しから「エイソリャ」とした。「その1」には返しのつかないものを集めた。

 

1-1-1 盆踊り唄「ばんば踊り」 宇佐市中麻生(麻生) <77・75一口>

☆エーイエイソラ今夜当家の初盆そうな(婆も出てみよ孫子をつれて)

☆さても見事なお宇佐の榎の実(榎の実ゃならずに葉ばかり茂る)

☆咲いた桜になぜ駒つなぐ(駒が勇めばヤレ花が散る)

 

1-2-1 盆踊り唄「ばんば踊り」 別府市天間(南端) <77・75一口>

☆アラエーイエーイ エイソリャ ばんば踊りが始まる頃は

 (アラ 婆も出て見よ 孫子を連れて)

★アラ恋し小川の鵜の鳥見やれ(アラ鮎をくわえて ヤレ瀬をのぼる)

 

 

 

●●● エイソリャ(その2) ●●●

 下5字のみを返す節を集めた。

 

2-1-1 盆踊り唄「ばんば踊り」 安心院町楢本(津房) <77・75一口>

☆エイエイエイソリャ ばんば踊りが始まる頃は

 (ばさま出てみよ ヤレ孫つれて ホンニ孫つれて)

☆生まれ山国 育ちは中津(命棄て場が博多町 博多町)

 

 

 

●●● エイソリャ(その3) ●●●

 上句の下7字以下の節を返すものを集めた。返しの箇所では、上句の下7字の4・3をひっくり返すか、下5字分をその節にあてがい、以下は上句下7字をそのまま唄う。

 

3-1-1 盆踊り唄「ばんば踊り」 安心院町板場(津房) <77・75一口>

☆アエーイエイソリャ ばんば踊りが始まりました

 (ア爺さん婆さん達ゃ寺参り)

 サー寺参り(ア爺さん婆さん達ゃ寺参り)

☆中津中津とさしては行けど(どこが中津のお城やら)

 お城やら(どこが中津のお城やら)

 

3-1-2 盆踊り唄「ばんば踊り」 安心院町松本(津房) <77・75一口>

☆アエイエイエイソリャ 親が大工すりゃ子までも大工

 (ア宇佐の呉橋や 子がかけた)

 ア呉橋ゃ宇佐の(ア宇佐の呉橋ゃ 子がかけた)

 

3-2-1 盆踊り唄「ばんば踊り」 安心院町尾立(津房) <77・75一口>

☆アエイエイエイソリャ 中津中津とさしては行けど

 (アどこが中津のお城やら ホンニお城やら) 

 アエイエイエイソリャ 中津のどこが

 (アどこが中津のお城やら ホンニお城やら)

 

 

 

●●● エイソリャ(その4) ●●●

 冒頭の「エイエイエイソリャ」を一切省き、上句の節ばかりを繰り返す類のものを集めた。簡略化が顕著で、殊に南由布の節では2節目以降では上句の上7字分をも省いている。

 

4-1-1 盆踊り唄「ばんば踊り」 湯布院町鮎川・津々良(南由布) <7・75一口>

☆白いゆかたに南無妙と書いて(南無妙法蓮華経 後生 後生願う)

☆四升五合願うた(ま五合願えば 五升 五升になる)

☆宇佐よりゃ中津(中津寺町ゃ 後生 後生どころ)

☆お寺の坪で(踊る片手にゃ 後生 後生願う)

 

4-2-1 盆踊り唄「ばんば踊り」 湯布院町並柳(北由布) <77・77段物>

☆ばんば踊りが始まる頃は(ばんば踊りが始まる頃は)

☆爺さん出て来い婆さんも連れち(爺さん出て来い婆さんも連れち)

☆那須与一という侍は(那須与一という侍は)

 

4-2-2 盆踊り唄「ばんば踊り」 湯布院町塚原(北由布) <77・75一口>

☆あなた百までわしゃ九十九まで ともに白髪のアノ生えるまで

☆揃うた揃うたよ踊り子が揃うた 秋の出穂よりゃまだよく揃うた

 

 

 

●●● サンサ節(その1) ●●●

 佐賀関以南の沿岸部で唄われるものを集めた。返しや入句など、詩形が変化に富んでいる。区分に迷ったが、節の骨格は同じと考えられるので細分化は避け、枝番による区別とした。

 

1-1-1 盆踊り唄「切音頭」 佐賀関町木佐上(神馬木) <77・75一口>

☆五万石じゃノーエー(エヤエーヨー) 五万石ヨナー(ソレーソレ)

 臼杵ゃアーエー(アーヨーイヨーイヨナ) 五万石ヨ

 エーコーノサーンサ(アーエーンゲーンサーンサ)

 「ドッコイサーハレバイサは田舎相撲よナー

 広いようで狭い(私に似合いの妻はないハレバエー)

☆暗いのに 暗いのに 沖の 暗いのに

 「ドッコイサーハレバイサでみかん船

 白帆が見ゆる(あれは紀の国みかん)

 

1-1-2 盆踊り唄「きそん」 佐賀関町白木(佐賀関) <77・75一口>

☆ソラ宮島はエー ソラ宮島はエー(ソレーソレ)

 安芸のナーエー(アーヨーイヨーイヤナ) アー宮島は

 エーエイコーノーコリャサンサ(アーエーンエーンサーンサ)

 「アヤンサーデーそら誠かよ

 廻れば七里ヨ ソリャ(浦は七浦)

 アードッコイ(七恵比寿 ハレバエー)

☆五万石じゃろ 五万石じゃよ 臼杵じゃ 五万石じゃら

 「この囃子ぞな

 広いようで狭い (わしにゃ似合いの)(妻がない)

 

1-1-3 盆踊り唄「きそん」 佐賀関町田中(佐賀関) <77・75一口>

☆アーよい子じゃノーエーヤ エーヨー よい子じゃよナ(ソレーソレ)

 アーあの子エー(アーヨーイヨーイヤナ) アーよい子じゃよ

 エイコーノーサーンサ(アーエーンエーンサーンサ)

 「ハーあの子にやっときゃ身のためナー

 牡丹餅顔よ(ソラ黄粉つけたらナ なおよかろ ハレバエー)

 

1-2-1 盆踊り唄「さんさ節」 佐賀関町一尺屋(一尺屋) <77・75一口>

☆ハーエー 揃うた揃うたぞナ(ソレーソレ)

 揃うたエーヘ(ヨーイヨーイヤナー) 揃うたよ

 エーイコーリャーサーンサ(アーエーンエーンサーンサ)

 よう揃うたよナ 踊り子が揃うたナ

 (アリャ稲の出穂より なお揃うた アリャレー)

☆臼杵ゃ五万石じゃ 臼杵ゃ 五万石じゃ 五万石じゃ

 かけこそ名所(出船入船なお名所)

☆踊り踊るなら 踊り 踊るなら 踊るなら

 品よく踊りゃんせ(品のよい子を嫁にゃとる)

 

1-3-1 盆踊り唄「取立て音頭」 津久見市日見(日代) <77・75一口>

☆エーヤレ 取立ちょうぞナー エーエー

 オーン踊りゅナー(エーイエーイエーイヨナ) アラ踊りゅ取立ちょうぞ

 エーエイコーノサーンサ(アラエーイエーイサーンサ)

 「アラさんさの太鼓に手拍子揃えてノー

 踊ろじゃないかナ

 (ヤレ 踊り明かそうやエーエ 夜明けまでヤーレコリャセ)

 

1-3-2 盆踊り唄「切音頭」 津久見市四浦(四浦) <77・75一口>

☆ソレ五万石よナ(エーイエ)

 ヨー臼杵ゃエ(インヤヨーイヨーイヨーイヨナ)

 臼杵ゃエ(ソリャーソリャ) 五万石サ

 エーコーノ サーンサ(ヤレエーイエーイ サーンサ)

 「ソレ若い衆張り込め今宵が限りぞな

 臼杵の城は(ヤレ根から生えたか エーイエーイ浮き城か ヤレコラセ)

☆宮島は 安芸の 安岐の 宮島は

 「丁とれ半とれ娘にゃ婿とれ

 まわれば七里(浦が七浦 七えびす)

 

1-4-1 盆踊り唄「切音頭」 津久見市保戸島(保戸島) <77・75一口>

☆ヤレー買うのならヤーレコリャエー ソリャ買うのならナイ

 笠をエー ヒヨーヨーイヤナ 笠を買うのなら三つ買うてござんせ(ヨイヨイ)

 「一つぁエー ヒヨーヨーイヤナ 一つぁ雨傘 一つは日傘(ヨイヨイ)

  一つぁエー ヒヨーヨーイヤナ 一つゃ踊り笠だよ

 エーイコーレモサーンサ アリャエーイエーイサーンサ

 「ソリャヨーホーさんさはそりゃ誠ぞな

 夜明けまでじゃいな ヤレ踊り明かせ 夜明けまで ハーレバヨー

 

1-5-1 盆踊り唄「切音頭」 上浦町津井(東上浦) <77・75一口>

☆ヤレー切りましょうぞいエーイエー アーヤレここで切りましょうぞな(エイエー)

 ここでヨー(アラエーイエーイ ヨーヤーナー) ここでちゃんと切りましょ

 エンヤコーノサーンサ(アラエーイエーイサーンサ)

 「ヤレ太鼓も踊りも みんなよく揃うたぞナ

 お月を見やれな(ヤーレ お月ゃ山端でわしゃここに ヤーレコラセー)

☆宮島のエーイエー アーヤレ宮島はナー(エイエー)

 安芸の宮島はエー(アラエーイエーイ ヨーヤーナー) 安芸の宮島はサマ

 エンヤコーノサーンサ(アラエーイエーイサーンサ)

 「ヤレ女子の木登り 危ないものぞえ

 まわりが七里ぞな(ヤーレ 浦が七浦 七恵比寿 ヤーレコラセー)

 

1-5-2 盆踊り唄「切音頭」 上浦町浅海井(東上浦) <77・75一口>

☆ヤレー五万石ヒンエーイエー ヤーレ五万石ナ(エイエー)

 臼杵ゃヨーナー(アラエーイエーイ ヨーヤーセー)

 アー臼杵五万石じゃな エーンヤコーノサーンサ(アラエーイエーイサーンサ)

 「ヤレ女子の木登りゃ危ないものだよナ

 ヤレ大豆にゃ切れて(ヤーレ 狭い臼杵に 豆詮議ヤーレコラセー)

 

1-6-1 盆踊り唄「切音頭」 佐伯市臼坪(佐伯) <77・75一口>

☆ヤレー宮島はナー ウーンヨエーンエー エーイソレ宮島はナ(ヨイヨイ)

 安芸のエンエー(ヨーイヨーイサーンサ)

 「アーモさんさも今晩どなたも大きなご苦労じゃとな

 アー廻れば七里ナ ハ浦が ハ七浦 アー七えべす ハレバヨー

 (ヨーイヨーイサーンサ)

★ヤレー三度笠ナー ウーンヨエーンエー エーイソレ三度笠ナ(ヨイヨイ)

 様のエンエー(ヨーイヨーイサーンサ)

 様の三度笠 エーイコーノサーンサ(ヨーイヨーイサーンサ)

 「アーモさんさも今晩どなたも大きなご苦労じゃとな

 アー後から見ればナ ハしなよう ハござる アー笠の内 ハレバヨー

 (ヨーイヨーイサーンサ)

 

1-7-1 盆踊り唄「切音頭」 鶴見町沖松浦(西中浦) <77・75一口>

☆エーイエーイエーイヤナ エイエーイ宮島ナ(ジャロージャロ)

 安芸のエー(エーイエーイエーイヤナ) 宮島まわれば七里ナ(ジャロージャロ)

 浦がエー(エーイエーイエーイヤナ) 七浦 ヤレコノサーンサ

 「サンサが揃うてその調子エーナ

 七えびす ヤレコノセー

 

1-8-1 盆踊り唄「切音頭」 鶴見町羽出浦(東中浦) <77・75一口>

☆イエー切りましょか エイコノサンサ

 「サンサを揃えて本調子 アリャエイコノサンサ ヨーサンサ

 しっかり切りょ 若の松様がナー 枝も栄えて葉もしげる ヤレコノエー

 

1-9-1 盆踊り唄「切音頭」 米水津村色利浦(米水津) <77・75一口>

☆エーイ エーイ エーイエ 安芸の宮島ナ(ハヨイヨイ)

 安芸の宮島 まわれば七里(ハヨイヨイ)

 浦がエー エンヤエーイエーイ サーンサ

 「ソレさんさをはりあげて ソラ見事に エーンヤコーリャ サンサ

 浦が七浦 エンヤコリャ 七えびす ハーヨイヨイ

 

1-10-1 盆踊り唄「切音頭」 米水津村宮野浦(米水津) <77・75一口>

☆エー 咲いた桜になぜ駒つなぐ ヨイヨイ

 駒が勇めば ヤレコラセー オヤ エーイエーイエーイヤナー

 「イヤさんさを ヤートヤー つけたぞ

 駒が勇めばヤーレ 花が散る ヤレコラセー

 

1-11-1 盆踊り唄「切音頭」 蒲江町畑野浦(上入津) <77・75一口>

☆ヤレ 沖の暗いのに イヤコノサンサ 白帆が見ゆる ソーレ

 あれは紀の国みかん船 ハンレバエー

 

1-12-1 盆踊り唄「切音頭」 蒲江町竹野浦(下入津) <77・75一口>

☆アーここで切りましょか エイヤコーノーサーンサ(エーイエーイサーンサ)

 「サンサオ まことにゃ(ホイ)

 臼杵の城じゃソーラ(松から生えた ホイ あの浮城じゃ ハーレバエーノエイ)

 

1-13-1 盆踊り唄「切音頭」 蒲江町西野浦(下入津) <77・75一口>

☆走る船エーイエーイエーホー(ソレソレ)

 走る船ナー 沖ンオー(ソコジャ) ヨイヨイヨイヤセー

 走る船 エーイヤコーノサーンサー(エーンエーンサーンサ)

 「サンサのまことにナ

 ありゃどこの船 ソーリャ あれは紀州浦のみかん船 ヤレコリャセー

 

1-14-1 盆踊り唄「祝い音頭」 蒲江町屋形島(蒲江)、丸市尾浦(名護屋) <77・75一口>

☆祝いめでたの若松様よサー 枝も ホイ 栄えて アー根も葉も茂る

 アーレバエー サーンヨーンヨーンヨーイヤナー

 

1-15-1 盆踊り唄「切音頭」 蒲江町河内浦(蒲江) <77・75一口>

☆ヤレここで切ります

 ヤレ切りますナー ここでヨー ナーンヨーイヤヨイヤナ

 「アラなんでもしゃんと切る さんさを

 破竹の竹を ソレー 元は尺八半ば笛

 

1-16-1 盆踊り唄「切音頭」 蒲江町深島・蒲江浦(蒲江) <77・75一口>

☆ヤレ五万石ヨーナ ヤレ五万石ナー

 臼杵ゃエー ソリャエイエイサンサ

 アー五万石 エイヤコノサンサ(エイエイサンサ)

 「ヨーサマまことにナ

 臼杵の城は ソリャ根から生えたか浮き城か ハレバエー

 

1-16-2 盆踊り唄「切音頭」 蒲江町猪串浦・小蒲江(蒲江) <77・75一口>

☆ヤレー切りましょうかヨーエ 切りましょうかナーンウーン

 ここでヨーエ(ハラエーイエーイサーンサ)

 ここで切りましょうか エーイヤコーノサーンサ(ソラエーイエーイサーンサ)

 「ヤレ さんさマその声よう揃うたろな

 ア向かいで切ろうかソーレ ア向かい回れば 三里のまわり(ハーレバエー)

☆五万石 五万石 臼杵 臼杵五万石

 「さんさその声よう揃うたろな

 臼杵の城は 地から生えたか浮き城か

☆暗いのに 暗いのに 沖の 沖の暗いのに

 「さんさその声よう揃うたろな

 白帆が見える あれは紀州浦のみかん船

☆宮島は 宮島は 安芸の 安芸の宮島は

 「さんさその声よう揃うたろな

 まわれば七里 浦が七浦 七えびす

 

1-17-1 盆踊り唄「出し節」 蒲江町丸市尾浦(名護屋) <77・75一口>

☆ヤレ引いてきたがなヨー サヨンヨー 引いてきたがな鰯ゅヨー

 鰯ゅ引いてきたが ほんに塩がないサ 塩は大阪 アレ塩釜に ハレバエー

 

1-18-1 盆踊り唄「切音頭」 蒲江町丸市尾浦(名護屋) <77・75一口>

☆ここでしゃんと切れさんさの松のサエ 枝も栄えて葉もしげる ハレバエー

 

1-19-1 盆踊り唄「切音頭」 弥生町井崎(上野) <77・75一口>

☆ヤレ切りましょうや ノホヨーホヨエ 切りましょうやノー

 ここで切ろうどちゃ エンヤガコーロノヨーサンサ

 「さんさが嘘でもないこと 心から真実実ぞいな

 アンアレーどうで高いのは

 「火の見櫓か富士山か 餅屋の娘の杵音高い ちぎり丸めてちょいと投げた

 高崎山かナ フーナーンアーエー 女郎町ゃ目の下に ハーリワエー

 

1-20-1 盆踊り唄「切音頭」 宇目町重岡(重岡) <77・75一口>

☆ソレ切りましょうなヨー ヨーヨイソーレーヨ 切りましょうな(アヨーイヨイ)

 「上で高いのを申すなら 一で英彦山か(ソレ)

  餅屋の娘の杵だこな 下で高いを申すなら(ソレ) 下で高いは尺間山

 アーさても見事な(オヤ) 臼杵様の城はナ

 地から生えたな 浮き城な ハレワイサーノサー

 

 

 

●●● サンサ節(その2) ●●●

 大野地方周辺で唄われるものを集めた。節がいろいろあるが線引きに迷ったので、枝番による区別にとどめた。

 

2-1-1 盆踊り唄「絵島」 大分市吉野(吉野) <77・75一口>

☆ここシャンと切りましょナ ナー竹の 切りよりゃ

 アレワイサノ コレワイサノ ヤーヤーコノ サンサヨーイヨイ

 

2-1-2 盆踊り唄「切り上げ」 臼杵市深田(下南津留) <77・75一口>

☆アーソレ なんと切りましょうな 竹の切りどころ

 アレワイサーノ ヤーヤーコーノコノ サーンサー ヨーイヨイ

 ヤー切りヨー ハンハーヨーイヨイ 切りヨー 竹のナー

 ヨーイヨーイ 切りよでナー 竹の 切りよでたまりし水は

 済まず ハー濁らず 出ず入らず

 アレワイサーノ ヤーヤーコーノコーノー サーンサー ヨーイヨイ

 

2-2-1 盆踊り唄「切り上げ」 野津町野津市(野津市) <77・75一口>

☆ソリャくんずれそうなノー オーくんずれそうなノ

 踊りゃサーエーエーエン エーくんずれそうなノ

 踊りゃサーエーエーエー エーくんずれそうなノ

 踊りゃくんずれそうな まだ茶は沸かぬ

 お風呂沸くとは何ゅしちょる ハンレワヨイ

 コリャ エーイコーノーコーノーコ サーンーサーエーイエイ 

☆ソラ星さよノー 星さよノ

 空のヤーアーアー ソリャ星さよノ

 空の星さよ夜遊びゅなさる

 様の夜遊び 無理もない ハンレワヨイ

 コリャ ヤーコーノーコーノーコ サーンーサーエーイエイ

☆ソリャ万々世ノー 万々世ノ

 千秋エーエーエー エー万々世ノ

 千秋万々世 思うこた叶うた

 末は鶴亀 納めよく ハンレワヨイ

 ホイ エーコーノーコーノーコ サーンーサーエーイエイ

 

2-2-2 盆踊り唄「二つ拍子(ばんば踊り)」 三重町大白谷(白山) <77・75一口>

☆ソリャ崩れそうなノ 踊りゃ崩れそうなノ

 踊りゃナー ヨーイヨーイ エー 踊りゃ崩れそうなノ

 踊りゃ崩れそうな まだ夜は夜中ヨ 明くりゃお寺の鐘が鳴る

 ハーリャンリャ ソレ コノコノヨ ササ ヨーイヨイ

☆七夕 空の七夕 空の 空の七夕

 空の七夕おいとしゅござる 川を隔てて恋なさる

☆万歳 千秋万歳 千秋 千秋万歳

 千秋万歳 思うこた叶うた 末は鶴亀 五葉の松

 

2-2-3 盆踊り唄「切り上げ」 犬飼町大寒(戸上) <77・75一口>

☆くんずれそうなノ くんずれそうなノ 踊りゃエー エーくんずれそうなノ

 踊りゃくんずれそうなまだ茶は沸かぬ 降り茶釜は割れ茶釜

 ハンレバリャ ヤーコノコノ サンサエー

☆引き寄せ 引き寄せ 硯ゅ引き寄せ

 硯ゅ引き寄せ墨する方は 恋の手紙をつらつらと

☆万世 万世 千秋万世

 千秋万世 思うこた叶うた 末は鶴亀 五葉の松

 

2-2-4 盆踊り唄「切り上げ」 三重町菅尾(菅尾) <77・75一口>

☆ソレ崩れそうなノー オー崩れそうなノ

 踊りゃエイエーイ エイエーイ エー崩れそうなノ

 踊りゃ崩れそうなまだ茶は沸かぬ この茶釜は ソレ割れた茶釜

 ハレワヨ ソレヤレコノー オサオーサ ヨーイヨイ

☆万歳 万歳 千秋万歳

 千秋万歳思うこた叶うた 末は鶴亀 五葉の松

 

2-2-5 盆踊り唄「二つ拍子」 三重町芦刈(三重) <77・75一口>

☆星さよノー 星さよノー

 空のエーイエーイ(エーイエーイ) エー星さよノー

 空のエーイエーイ(エーイエーイ) エー星さよノー

 空の星さよお歩きなさる 様の夜遊び無理はない

 ハーレワリャー ハーコノコノサンサ エーイエーイ

☆そん切り様じゃ そん切り様じゃ 竹のそん切り様で 竹のそん切り様で

 竹のそん切り様で溜まりし水は 澄まず濁らず出ず入らず

☆万世 万世 千秋万世 千秋万世

 千秋万世 思うこた叶うた 末は鶴亀 五葉の松

 

2-2-6 盆踊り唄「ばんば踊り」 緒方町上自在(緒方) <77・75一口>

☆アリャ七夕ノ アソリャ七夕ノ 空のナー ヨイヨイ エー空の七夕は

 空の七夕はお愛しゅござるナー 川を隔てて恋なさる ハーリャンリャー

☆万世 万世 千秋 千秋万世

 千秋万世 願うこた叶うた 末は鶴亀 五葉の松